後輩くんの挑戦状 ~僕に惚れてもらいます~
第14章 消去と諦め
「べつに、わざわざ言う必要ないわ」
「そうなんですか?」
「君とは関係ないし…」
「それは嘘ですね」
「……!?」
ふいと顔をそらして答えた私だが、葉川くんは退かなかった。
腕を掴まれているくらいの距離だから彼の声が近い。
「僕が起きあがった時に、先輩は咄嗟にスマホを隠しましたから」
そうだったのか。自分では気付いていない。
「……、教えたくないって言ったら?」
「強制する権限はないので、諦めますが」
葉川くんは無理やりスマホの画面を見ようとはしない。
けれど腕を離す気配もなかった。
彼はそれ以降何も言わず、無言で私の後ろに回り込んで…そっと肩を抱いてきた。
下着だけを身に付けた私の、がら空きの首筋に唇を落としながら。