後輩くんの挑戦状 ~僕に惚れてもらいます~
第14章 消去と諦め
私が抵抗しないのをいいことに三つ、四つとリップ音を立ててくる。
洗ったばかりの肌は、彼の感触を覚えていた。
「もし僕で手助けできるなら…なんなりと仰ってください」
背後から囁かれる声に耳の孔まで優しく犯される感覚も…覚えている。
“ なんだかんだ譲るつもりなんて無い癖に… ”
彼より先に譲る( ユズル )ことを学んでしまった私は、溜め息をついてから首をひねった。
「わかった」
「……」
「君に教えるから」
首をひねって彼の頭を押しのけてから、掴んでいる腕を離すように伝えた。
いいんですか? と驚いた " ふり " をした葉川くんが、少しの間をあけてパッと離す。どうせ想定内でしょうに。
そこはあえて指摘せず、スリープモードに入ったスマホの電源を入れ直す。
さっきまで見ていた画面が表示された。