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後輩くんの挑戦状 ~僕に惚れてもらいます~

第16章 汗と横顔


葉川くんはニコリと笑った後、少し離れて立っていた藤堂さんに振り向いた。

「残りの走順ですが、僕、先生、最後に僕という順番に変更しますね」

そう言ってすぐ、私に向き直る。

私からタオルを受け取って、それを私の頭にふわりとかけてきた。


顔に照り付けていた日射しが遮られて

ついでに、視界も遮られる。


タオルをずらして前を見た時には──葉川くんはすでにスタート位置まで移動を始めていて

仕事中ともベッドの上とも違う彼の横顔が、その輪郭から玉となった汗を滴らせていた。











──…




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