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後輩くんの挑戦状 ~僕に惚れてもらいます~

第4章 誘惑のドライブ


穂花の言うコンペとは、今年の秋に高速道に新しく建設されるサービスエリアのデザイン競技設計のこと。

藤堂建築アトリエ事務所も参加することになり担当は私に決まった。

エントリーは先日にすませてある。


「どうだ? 何が書いてある」


受け取った冊子をパラパラとめくっていると、藤堂さんが自分の作業の手を止めて資料内容を聞いてきた。


「要項が中心ですね。予算と、目安の建坪率。あとは必要駐車台数など」

「敷地条件は?」

「…1:500の敷地図が…あります。それと…周辺の写真が、数枚」

「そうか」

「これでは不十分なので、敷地には直接、足を運んだほうがいいでしょうね」


そして私はもう一度、今の時刻を確認した。

日が暮れるまで…あと数時間。


“ まだ間に合う ”


起ちあげたばかりのパソコンだが、すぐに電源を落として席を立った。


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