後輩くんの挑戦状 ~僕に惚れてもらいます~
第21章 終章~この身勝手な小悪魔と~
八人目、という言葉に驚愕している藤堂さんは、私がもっぱら恋愛に興味がないと思い込んでいたみたい。
まぁ人数の多さに関しては自慢する話じゃないけどね。
それだけたくさんフラれてきたってだけの黒歴史ですもの。
「なんてこった……。仕事の鬼の立花がまさかプライベートでもヤリ手だったとは…──ご、誤算」
「……」
「──あ! いや! …ゴホっ、ゴホ!! …なんでもない問題ない。負けは潔く認めたからな」
「…ハァ、いい大人がくだらない賭けを……」
「くだらないのは百も承知。──…ま、これでお前を送り出す決心がついたんだ。許してくれ」
可笑しなことだ。
決心をつけるのはこちら側だと思う。
独立なんて生易しい道ではないのに…。
「もちろん今すぐ出ていかれたら困るからな。来年の春には新しい事務所を構えられるように…今から少しずつ準備を始めろ。しばらくのサポートはするから」
ただ藤堂隆英のサポートがあるのなら、心強いのは確かね。