後輩くんの挑戦状 ~僕に惚れてもらいます~
第21章 終章~この身勝手な小悪魔と~
「季里さんは馬鹿ですね」
「……!?」
「鈍いにもほどがある」
葉川くんの膝が、私の太ももの間に入る。
この状況で動きを封じられた意味がわからないまま、私は彼の答えを待った。
葉川くんは不敵に笑う。
「勘違いしないでください。確かに、僕が尊敬する建築家は先輩で間違いないですが…。
──…僕が強引にでも手にいれたい女は、季里さんなんですから」
「──…?」
それって……
「…っ…どういうこと?」
「──…まさか、貴女ひとりで独立する気じゃないですよね? …まさかね」
「…!」
同時に唇を塞がれる。
それはいわゆるキスではなくて、もっと熱くて情欲的な…呼吸を許さぬ深さだった。