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後輩くんの挑戦状 ~僕に惚れてもらいます~

第5章 カラダから始まる



「ここは……」

「君のマンションよ。合ってるか知らないけど」


道の端に車を停めて外に出た私は、助手席側に回り込んでドアを開けた。

正直、起こしてしまうのに一瞬の躊躇い( タメライ )を生むような彼の寝顔だったが、着いたというのに眺めて待つのは何かおかしい。

それにしても、寝ている時でさえその口元に不敵な微笑みを浮かべていたらどうしようかと思っていたが…杞憂に終わってひと安心だ。

彼も寝顔だけは、年相応だったというわけ。


「ここで降ろしていいのね?」

「……はい、ここであっています」


葉川くんはカチャカチャとシートベルトを外しながら、外に立つ私を見上げてきた。


「すみません、帰りも運転を任せてしまいました。僕だけ…休んでしまって」

「……? 別にいいのよ。私が頼んだ水回りのスタディで、昨日はあまり寝れていないんでしょう?今日は早めに休みなさい」

「先輩、ご飯は……」

「もうすませたわ」


なかなか降りようとしない彼に、私は手にさげたビニール袋を差し出す。


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