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後輩くんの挑戦状 ~僕に惚れてもらいます~

第5章 カラダから始まる


「途中でコンビニに寄ったの。君は寝ていたから…はい、とりあえず幕の内」

コンビニ弁当が入った袋を手渡すと、受け取った葉川くんが車から降りる。

途端に目線の高さが逆転して私が見上げる番になった。

…とは言えあまり身長差はない。


「今日の夕食はそれで我慢して」

「先輩の奢りですか」

「…初めての奢りがコンビニ弁当なのは謝るわ」

「嬉しいですよ」


彼がドアの前から動かないから、閉められない。

早く車から離れてほしいと、ドアノブに指をかけながら無言で訴えるけどダメみたい。



...ニコっ



「……!!」


しまった。

彼が寝起きの間にさっさと帰っておけば…。

葉川くんの口元が笑った瞬間、嫌な予感と後悔が私の中を渦巻いた。


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