後輩くんの挑戦状 ~僕に惚れてもらいます~
第5章 カラダから始まる
君のことは嫌いだから、誘いは受けられない。
…そう言えばきっと彼は諦める。
ただ困ったことに私は彼が嫌いじゃない。仕事のできる後輩として十分に認めているから。
さらに悔しいことに、異性として不満のある相手かと問われれば、彼の外見は女子の理想だ。
恋愛感情はないとしても…
身体を繋げるだけなのなら…。
「……そんなにヤりたいの?」
引き下がらない彼に対して、単刀直入──私はもっともシンプルな聞き方で試した。
「ヤりたい、ですね」
「呆れた…」
「全くなびかない先輩には、これが一番の近道かもしれないので」
「順を踏むべきという常識はないの?」
「順を踏んだとして…何か得るものがありますか?」
けれど試した結果、質問を質問で返された。
常識に欠ける葉川くんの言動だけど、冗談を言っているふうでもない。
きっとこれだけは本心。そんな気がする。