後輩くんの挑戦状 ~僕に惚れてもらいます~
第6章 後輩くんの挑戦状
一晩寝るくらい、どうってことないと思っていたのに。
…あんなに乱されたのは想定外で。
そんな自分を見せてしまったのはいただけない。
“ 昨夜の私は……いつもの 私 じゃなかった ”
曇りかけた鏡に手を滑らせると、そこに裸の私が映った。
少し顔を近付けて……また、眉間にシワを寄せた。
今朝は肌の調子がいい。
セックスをすると女性ホルモンがなんたらと言うけれど、嘘じゃないみたい。
ということはつまり
…葉川くんの手で私は女にされたってわけ?
「なによそれ、笑っちゃう…」
別に普段から女を捨ててるわけじゃない。
髪も爪もそれなりに綺麗に手入れをしているし、どれだけ多忙な日でもメイクはする。社会人としての、それが礼儀だから。
なのに…
──ガラッ
私はバスルームを出て身体を拭いた。
昨日脱いだ服と下着が同じ場所にたたんである。
それを脱いでから半日も経っていないというのに、私の中に否定できない変化が…すでに起こっていることを
認めるしかない現状に、後悔が膨らんだ。