後輩くんの挑戦状 ~僕に惚れてもらいます~
第6章 後輩くんの挑戦状
──
「…朝食、どこに行きます?」
「……」
部屋に戻ったらお決まりの笑顔が私を迎える。
二人分のカップは洗った後で、逆さまでシンクに置かれていた。
「…家に帰って食べるわ」
「そんなこと言わないでください。この近くにモーニングが美味しい喫茶店を知っていますよ。どうですか?」
食事に誘われたけれど
それでも、「いらない」と私は答える。
だってちゃんと断らなきゃ…私の中の " 線引き " が曖昧になるもの。
「冷たいですね」
「……」
「…昨夜はあれほど、僕を感じてくれたのに」
「…っ…この際だからはっきり言わせてもらうわね」
昨夜の話を持ち出されて僅かにたじろいだものの、彼に流されるままでは駄目なことを知っている。
どこまでを許し、どこからを認めるのか…
一度でも身体の関係を持ってしまったからには、うやむやにできない立場があるのだから。