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WーWING

第9章 偽りの愛の果て

 優雅に抱きしめられると、心なしか、安心感があった。


 なんだろう、この温もり……自分が帰る場所に戻ってきたような気がした。


「隼斗、今日は俺とお前の二人っきりだ。一気にやっちまうぜ」


「優雅……」


 隼斗は、優雅に対しなんでも許せるような気になっていた。


 だが、どこかに、自分はそこに、いてはいけないんだという強い思いが働くが、温もりを感じると優雅とひとつになりたいという感情が生まれる。


 気が付くと、唇が重なりあっていた。


 優雅の分厚い唇に圧迫され、思わず口を開くと、ヌルっとしたものが、侵入してきた。


 それは上下左右に動き、隼斗の口内を味わっているようだ。


 隼斗も舌を絡める。力比べをするように、舌と舌がぶつかり合う。


 Tongue レスリング。


 勝ち負けはない。


 あるのは愛だけである。


 二人はすべてを脱ぎ捨て、浴室に入った。


 ラブホテルの浴室と違い、二人入れば、もう狭い。


 お互い体を洗いあう。優雅にそこを触られると、なぜか硬直してしまった。

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