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WーWING

第11章 隼斗と優雅

「あのさ……僕は優雅とキスしてもなにも抵抗ないよ。いや、抵抗がなくなったんだ」


「……」


 優雅は黙って聞いている。


 ポテトをつまみながら……。それも、隼斗が食べているポテトを。


「実はさ、優雅に彼女が出来た時、ちょっとショックだったんだけどさ、このショックが、なんのショックかわからなかったんだ。優雅にだけ、先に彼女が出来たことのショックなのか、それとも……優雅を彼女に取られたショックなのか……」


 それを聞いた、優雅のポテトを取る手が止まった。


「え?」


「いや、ポテトを取られることがショックじゃないよ。食べてくれてかまわないよ。なんかさ……なんか、自分をどう表現していいかわからないんだけど、違う自分が出てきた感じなんだ」


「隼斗……お前、まさか……」


 ポテトを取る本数が、1本ずつから3本ずつに増えた。


「いや、優雅、気持ち悪いのはわかってる。ただ、これは、自分の気持ちをハッキリ打ち明けた方が、自分もスッキリするからと思って、これで、優雅に嫌われたんなら、もし、優雅に彼女が出来たって、僕のこと気にしなくていいだろ」


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