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WーWING

第11章 隼斗と優雅

 優雅はそれを聞いて、立ち上がった。


 5分後、トレイにハンバーガーとポテトとドリンクを持ってやってきた。


「お前が食ってるのを見てると腹減ってきたよ」


 そして、隼斗の前に再び腰を下ろした。


「つまり、ゲイの真似事をしているうちに、本気でそうなったってことか」


「なんか、そうなんだけど、改めて言われると恥ずかしいと言うか、打ち明けたことを後悔したと言うか……」


 隼斗はハンバーガーをすべて食べつくすと、気まずくなったのか、うつむいてしまった。


 これでいい。本気で優雅のことが好きになってしまった。だが、優雅に言ったって、断られるに決まっている。


 せっかく、優雅に彼女が出来たのに、自分のために別れてしまうなんて馬鹿馬鹿しい。


 本当は、自分に目を向けて欲しいと思ったが、そこまで押し付けるわけにはいかない。あつかましすぎる。


 優雅が自分を気持ち悪いと、遠ざけてくれても悔いはない。


 そうなれば、自分の気持ちがまた女に向けられるだろう。

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