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WーWING

第3章 俺達、WーWING

 男同士の、恋愛作品のなにが面白いのだ?


 理解しがたい流行りに、やや消沈気味だった。


 先に食べていた、輝基と美晴よりも早く食べ終わり、弁当を受け取った隼斗は「ごちそうさま、いってきます」と家を出た。


 朝の日射しが、容赦なく隼斗を襲う。


 今はまだ梅雨真っ只中。梅雨は明けたのかと、思うくらいの天気と暑さ。


 家を出て2分、もう汗ばんでくる。


 コロコロした体型の隼斗には、苦痛の季節。


 学校まで来ると、もう汗でグショグショになる。


 さらに、学校の階段が追い討ちをかける。


 教室は校舎の4階にある。


 隼斗にとって、4階まで上がるのは、家の階段よりつらい。


 体育の授業だと苦痛だった。


 体操服に着替えてから、下りていかなければ、ならない。


 授業が終わってクタクタになって、さらにその状態で階段を上がる。


 これは、隼斗にしてみれば、42キロのフルマラソンのあと、休憩なしに鉄人レースに参加するのと同じだった。


「おい、大丈夫か?」


 後ろから野太い声がした。


 隼斗は、体ごと振り向いた。

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