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WーWING

第6章 ディープインパクト

 そこに、輝基が入ってきた。


「兄ちゃん、風呂は?」


「最後でいいよって、母ちゃんに言っておいて」


「あ〜い、じゃ、先に入るよ」


 輝基は自分の着替えを取ると、また部屋を出ていった。


 風呂は、いつも妹の美晴が先に入る。父親の体毛が入っているのが、嫌だからだ。


 次に父親、そして輝基、最後が母親か、隼斗のどちらかになる。


 すると、美晴が部屋を覗いた。


「ねえ、兄貴ぃ〜」


「ん?」


「母さん、やることあるから、輝基の後に入ってって」


「……わかった」


 自分が入ると、お風呂のお湯が減るから一番最後に入りたかった。


 まあ、またお湯を足せばいい。


 とにかく、この時間は勉強だ。


 集中しなければ、また今日の優雅とのキスを思い出してしまう。




 思い出した。


「うぇ……この先、またエスカレートするんだろうか? でも、注目されてるのは、されてんだよな……効果あるのかなぁ?」


 今一つ、成果が出ないことに、焦りを感じる。


 だが、始めてからまだ数日だ。そんな簡単には、彼女はつかないだろう。

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