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WーWING

第6章 ディープインパクト

 記憶と口に、優雅の分厚い唇の感触が、まだ残っている。


 プルンとしていた。


「うわぁーっ!! ダメだ、おかしくなる。なにかこれを消しさる刺激がほしい」


 隼斗は、頭をブンブンと振った。


 優雅はどう思っているのだろうか?


 自分から急にきたから、驚いてはいるだろう。


 それか、この調子だと、かなり乗り気になっているんじゃないだろうか?


 優雅が考えている作戦。プラスかマイナスか、どちらに転がるのか……。


「兄ちゃん、出たよ」


 輝基が入ってきた。


「えっ!? あ、あぁ……」


 椅子から立ち上がると、転がるように着替えを持って部屋を出た。


 母親の富美子は、テレビで韓流ドラマを見ている。DVDを借りてきたのだろう。


 最後に入りたい理由の用事ってのは、このことか……。


 隼斗は浴室の前で、上着を脱いだ。


 洗面所の鏡に映る自分の裸に、ため息が出る。


「丸いなぁ……てか、こんな体が好きな女って、いるか? 相撲取りでもなかったら無理じゃないの?」


 下着を脱ぐと、洗濯機の中に入れる。


 だが、一瞬手が止まった。

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