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WーWING

第6章 ディープインパクト

 朝、キッチンには、誰もいなかった。


 輝基も部屋にはいなかった。どこに行ったのだ?


 食卓に手紙が置いてあるのに、目がいった。


 隼斗はそれを手に取り、封を開け、中を見た。


“兄貴へ。昨夜、本当にショックだった。信じてたのに。汚らわしい。もう、家族の視野に入らないで。  美晴”


「マジか……」


 不安がよぎる。


 あわてて、2階の部屋に上がる。起きたてで、体が重いのか、上手く足がついてこない。


 久しぶりに入る美晴の部屋には、スッキリと余分な物が無く、誰もいなかった。


「嘘だ……」


 自分と輝基の部屋を見る。


「輝基っ!! いないのかっ!?」


 返事がない。


 1階に下り、父、雲幸と母、富美子を探す。


「おい、父さん!! 母さん!! マジか……」


 どこにもいない。


「隼斗っ!!」


 誰かが自分を呼んだ。


 振り向けば、そこにいたのは、優雅だった。


「……優雅」


「お前は、一人じゃないぜ。俺がいる。安心しな」


「優雅……」


「隼斗……」


 隼斗は優雅にシャツを剥ぎ取られる。

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