テキストサイズ

WーWING

第6章 ディープインパクト

 それはトロリと糸を引き、便器の中に伸びながら落ちていった。


「不完全燃焼」


 隼斗はトイレの中で、モノをしごきだした。


「ダメだ……」


 エサがほしい。


 隼斗は洗面所に向かい、洗濯機を開けた。


 中はすでに、水がたまっていた。


「……はぁ」


 性欲が全面に押し出されると、昨夜起こったことや、優雅との触れ合いも薄れてしまう。


 隼斗はトイレに戻り、まだ鼻に残っている美晴のパンツの汚れの匂いと、今見た下着姿を想像して、右手を動かした。


 悪いとは思っていても、やりはじめると止まらない。


 波動砲にエネルギーが充満してくる。


 いよいよ、秒読み開始だ。


 5……4……3……発射。思ったより早かった。


 ドクドクと脈打つように、絞り出す。


 そして……思う存分、出しつくした。


 全身を壁に預け、温かい己の吐息が口内を吹き抜ける。


 スッキリとした隼斗は、またベッドに戻った。


 朝が来るのと、顔を合わすのが、怖かった。


 不安で眠れず、5分後、不安で疲れて、眠った。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ