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WーWING

第6章 ディープインパクト

「……」


 美晴はチラ見さえもしない。


 なにを思っているのだろう。


 昨夜のことは、なにも気にしてないのか?


 そんなことはないだろう。兄貴が自分のパンツをクンクン匂って、しめじをエリンギにしてたんだぞ。


 いや、そこまでデカくないけどさぁ。


 まあ、ガン無視ならまだいいか。


 家族には言ってないようだ。


 ホッとした隼斗は、気まずい中、とりあえず朝食をとる。


「そうそう、隼斗、あんた美晴のパンツで鼻拭いたんだって」


 牛乳を喉に詰まらせそうになった。


 母親に爆弾を落としていたのか。


「いや……ティッシュないから……自分のシャツに、脱いでたから洗濯機に……いや中に」


 動揺しているのか、うまく言えない。


「洗面所の棚にティッシュ置いといたから、鼻がつまったら使いなさい」


「あ……あぁ」


 鼻を拭いたことになってるのか?


 でも、美晴は一言も口をきいてくれない。


 いたたまれなくなった隼斗は、詰め込むように食べて、家を出ていった。

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