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WーWING

第7章 二人だけ

 いま、自分の口の中に他人の男のチ○コが入っている。


 そう思うと、我にかえる。


「……こんなんで、彼女作れるの?」


 そう思うのは当然だ。


 女性を引き付けるものはなにもない。


「いや、隼斗……いま、お前は俺を引き付けてる。これだよ……これなんだよ。これを体験してからの明日がまた変わるんだ。これは、ひとつの試練だ」


「試練……」


 モテる要素のない自分達が、出来ること。いま、それを一生懸命にやるしか、前に出ることはない。


「優雅……そろそろ出ないか。熱い……」


 ずっと浴槽の中だ。


 のぼせてしまう。


「よし、出るか」


 二人は風呂から上がった。


 隼斗の心臓はドキドキしていた。


 このドキドキは、電車に乗っていて、前に座るミニスカートの女性が足を組んだ瞬間に、スカートの奥がチラリと見えた、男としてはラッキーなシチュエーションにおこるドキドキと似ていた。

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