
武橋さんのセフレを希望します。
第3章 ◇section3
沈黙を挟んで、私たちは目を合わせた。
「武橋さん」
「……」
「私、今日はまだイってないです。…気持ちよかったけど」
「…女はイきにくい奴が多いって聞くしな。それにお前は今日、体も万全じゃないだろうし…」
「だから、次はイかせてください」
「……」
私は腰をあげて、武橋さんの方へと歩く。
武橋さんは私を見据えたまま、動こうとしない。
「また、私が酔ってない時に、したいです」
「お前、そんなにセックスにハマったのか?」
違う。
きっと、私がハマったのは、えっちじゃなくって…
「そうかもしれないですね」
武橋さんだ。
よく漫画とかで、1回寝ただけで恋人ヅラするなだとかよく見るけど、えっちしたら何かしら思っちゃうよ。
そりゃ、ひどく抱かれたなら消したい記憶だけど、武橋さんは恋人を抱くみたいに抱くから、気持ちが勘違いするっていうか、何も思わないで割り切れない!
そんなの、多少なりとも執着しちゃうよ、私は。
無言で武橋さんをじっと見つめると、武橋さんはくすっと笑う。
「威勢がいい大学生だな。セフレにしろだなんて」
