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雪に咲く花

第5章 不幸中の出会い

「危ないなあ、前見て歩っ……!ってなんだいその格好は!?」
自分より頭ひとつ分背の高い男性が、雪斗を見て驚いていた。
こんな寒い日に、少女が浴衣一枚の姿でいるのだから当然だ。
「おいっ見つけたか?」
後ろで男たちの声がする。
「お願い……。助けて……」
震えた声で目の前の青年に懇願した。
状況を察した青年は、雪斗を近くの民家の門の中に連れ込んだ。
「ちょっと手荒だが絶対声をだすなよ」
なんと青年が、雪斗を覆い被せるように抱きしめたのだ。
「えっ……!ちょっと」
「しっ!」
追っ手の足音が聞こえる。
「チキショー!見失ったぜ」
「いい獲物見つけたと思ったのにな。それにしても可愛い子なのにおかしなやつだったな」
彼らがあきらめて、もと来た道を戻っていったようだ。
「もう大丈夫だよ。安心しな」
青年が雪斗の身体を解放した。
「いくらなんでも寒いだろ」
自分のジャンパーを脱ぎ雪斗に着せる。

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