kiss & cry
第12章 xJ 浴衣で愛されて
ゆらゆらとグラスを揺らし、
泡のなくなったビールの波紋を
ぼんやりと眺めていた。
潤くんのいう、ゲストって誰だろ・・・
俺の知ってる人かな?
J「にの、おまたせ」
掛けられた声に顔を上げると、
ゲストとやらをお迎えに行ったはずなのに
潤くんはひとりで戻ってきた。
N「え?お迎え行ったんじゃないの?」
J「うん、さきに部屋行っててもらった」
N「部屋?」
J「あれ?スタッフから聞いてなかった?
さっき撮影で使った部屋、明日の朝まで
抑えてあるから泊まっていいんだって!」
だから部屋でゆっくり飲み直そ?ていいながら、
マスターにチェックの合図をする潤くん。
N「あ、そう・・・てか誰なの?」
J「んふふーー、お楽しみ♡」
スマートにお会計をすませた潤くんが
サングラスと帽子を掛け直しエレベーターへと
歩き出した。
N「ちょ、!まってよ!」
俺も慌てて後を追い、先ほどの部屋へと
ふたりして舞い戻ることとなった。