kiss & cry
第7章 x A 完全プライベート映像
A「ふふ、二宮くん、お酒弱いんだね。
・・・飲んでたときのこと覚えてる?」
俺のいるベッドに腰掛け、
手に持っていたペットボトルのお茶を
"のみなよ"と差し出す相葉くん
ありがと、と素直に受け取り、
喉を潤した。
乾いた喉に冷たいお茶が染み渡る。
相葉くんの言う通り、
あんまり酒は強くない、というか弱い方。
N「・・・俺、変なこといってた?」
序盤も序盤のあたりから記憶が危うい。
不安になって失った記憶に探りを入れると
相葉くんは困ったような顔でこう言った。
A「変なこと、っていうか・・・
ほんとに覚えてない?なんも? 」
N「ご、ごめん・・・ 」
この前に引き続き、なんたる醜態・・・!
ちょっと困った顔をした相葉くんが
どうしたもんかなぁ、なんて
ぼそぼそ独り言をいいながら頭を掻いてる。
なんだかその仕草に申し訳なさが募る。
やっぱりなんか変なこといって
無理やり部屋に押しかけちゃったとかかなぁ
N「ごめん、迷惑かけて・・・俺帰るね?」
帰る意思を伝えれば、
相葉くんは焦ったように引き止めてきた。
A「ま、待って!迷惑なんかじゃないから!
遅いし、危ないから泊まっていきなよ!」
N「でも・・・」
A「あんだけ酔ってたのに帰したら、
俺が心配で寝られないから!
俺のためと思って!ね??」
・・・キュン。
この、おつしけがましくない優しさが
ほんとに出来た人間だなぁと思う。
N「じゃあ、お言葉に甘えて・・・」