kiss & cry
第10章 xA not REC
N「…ごちそうさまでした。 」
あんま夜は食べないなんて言っといて
結局ペロッとお茶漬けを平らげてしまった。
A「お粗末様でした。」
先に食べ終わっていた相葉くんが
立ち上がり、俺の食べ終わった器を
シンクへと持っていった。
ジャーっと水を流す音。
その音が止むと、先ほどまでと同じように
俺の対面に相葉くんが腰を下ろした。
N「・・・・・。」
A「・・・・・・・・。」
そして訪れた沈黙。
テーブルに落としていた視線をあげると、
バチッと相葉くんと目があった。
A「っ、!・・・二宮くん…!」
ゴホン、と咳払いを一つして、
相葉くんが頭を下げた。
A「呼び出しといて、迷惑かけてごめん…。
・・・この前のこと、ちゃんと謝りたくて…
ほんとにごめん!!
二宮くんが酔って記憶ないって、
わかった時点で止めることもできたのに……」
N「あー・・・いや……いいってそんなの。」
本題に入ったことで、
こちらも少し背筋が伸びる。
ずっと無視してたことで、
相葉くんにかえって罪の意識を持たせてしまった
公私混同して、舞い上がってた俺が
そもそもで悪いんだから。
相葉くんはお仕事を全うさせただけなんだから…
N「・・・謝んなくていいよ。」
A「でも騙し討ちみたいな…、
二宮くんやめてって泣いてたのに、
その、無理やり・・・ほんとごめん。」
違う。無理やりなんて思ってない。
相葉くんが"仕事"として俺を抱いていることに
耐えられなかっただけ
N「そんな・・・その、」
A「・・・まだ大野さんには伝えてないけど
今後二宮くんとのお仕事も辞退させてもらうし…
なるべくなら二宮くんの視界に入らないように、
気をつけるから・・・」