Deep Night《R18版》
第7章 Tiger
「折られた羽根の代わりになってやってよ、お願いだよ」
「折れた羽根?」
「あの子の背中、客に刃物で抉られた羽根があるんだよ。今はその療養で休ませて貰ってるけど“専門”のやってることがエスカレートしてきて次は死んじゃうかもしんない」
「ここは死なない程度にやってんじゃねぇのかよ」
「個人で買われたらそういうわけにいかないの。明日特別な顧客があの子のDVDを買って決めるんだけど……ニーナはオークションで売られる」
「あ?」
「従業員が話してるのを聞いただけで何時かは分からない。でもニーナの新作を買った人間だけがエントリー出来る仕組みになってるみたいで後日詳細の連絡が行くんだ」
「……なるほどな」
その為の100万という金額に納得する。
ムツミも立場を理解しながらこの話をしている。帳をニーナの客というだけでこの話をしているわけじゃないのはよく理解した。
確かに使える女だと、フッと笑う。