Deep Night《R18版》
第7章 Tiger
「親父、その金どうしたんだよ」
学校から帰ると父親が鼻歌を歌いながら札束を数えていた。
「おい!聞いてんのかよ!」
「うるせぇなぁ」
一升瓶の酒をコップに注ぎながら酒臭い呼気を出して笑う。
「お前の母親と俺の娘はイイ金になったんだよ。ほれ、この金で好きに生きろ」
1万円を帳の足元に飛ばす。
そんな父親に本気で殺意が芽生えた。
ぶっ殺してやろうと。
ぐちゃぐちゃに壊してやろうと怒りに駆られる。
だが、父親はそんな帳を嘲笑う。
「今頃アッチも楽しんでるぞ」
こんなクソみたいな人間を相手にしている時間が無駄だと思うと殺意も冷めていく。
それどころか嫌な予感がして、末端から冷えきっていく感覚に震えだす。
「何処にやったんだよ!」
「なんだ、その金で俺の娘を抱くか?だったら貧困街に行け。安い金で女を抱ける」
「クソが!」