Deep Night《R18版》
第7章 Tiger
その痛みに目を覚ました妹は声を上げて暴れる。
「きゃあああああああああっ!!!」
自分の腕に突き刺さる刃物を見て目を見開き荒々しく息を吐く。
「いいね、いいね」
「まだまだこれからだよ」
「大好きなお兄ちゃんに見られて興奮しちゃうかな」
1人の男が帳を指差し、妹に気付かせると泣きじゃくりながら「お兄ちゃん」と帳を呼んだ。
「助けて!お兄ちゃん!」
やめてくれ。
「お兄ちゃん!痛いよぉ!」
やめてくれ。
「お兄ちゃん!!!!!!」
嗚呼、夢なら覚めてくれ。
悲痛に泣き叫ぶ妹の声を耳に、帳は目を閉じた。