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Deep Night《R18版》

第8章 ミヨコ


口を塞がれてから新たな規則として、お客からのモノの受け取りが禁止になった。

投げつけられた飴玉を見てミヨコは泣きそうになった。

――そのせいでムツミが従業員に食って掛かった。

放っておけばいいのに、とどこか冷たく思ったが庇ってくれて嬉しかった。

しかし、そのせいでムツミが専門で仕事をさせられる。

「痛いかもしれないけど鼻から水を飲めるようにしないと」

ギッチリと綺麗に留められた唇に隙間はなく、食事が取れなくなってから3日は経つ。

こんな時の人間の再生力は迷惑でしかない。
傷口が塞がりかけてきた。

空気すら口に入れられないミヨコにムツミは、無理にでも鼻から水分を取らせようとしてきた。

最初こそ嫌だと首を横に振ったが、喉は渇く。

何か胃に入れたくても鼻からは辛い。

ツンと異物を押し込められるような感覚ごと、我慢して飲み込んだ。

汚いとかそんなのに構ってられる余裕もなかった。

この場所自体が汚いから最初の抵抗だけで後は気にもならなかった。

水だけでも生きていける自分の生命力を恨めしく思った。

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