テキストサイズ

Deep Night《R18版》

第8章 ミヨコ


従業員に抱えられながら身体中真っ赤にして床に倒れこむ。

すぐに駆け寄って意識があるか確かめた。
気絶していて浅い呼吸だけが生を感じさせた。

ここまでさせられる専門に、誰しもが脅え震えていた。

次は自分じゃないか、と不安に駆られているんだろう。

誰一人としてムツミに近付こうとしない。

数時間後に意識が戻ると、部屋の隅に行き再び横になった。

身体が辛いんだろう。
従業員に水と薬を投げつけられ、吐き捨てた台詞にはミヨコでもイラッとした。

みんなも口々に上辺の心配を掛けて“余計”なことを言う。

そんな女達の相手をする余裕がなかったが、そこにタイミング悪くニーナが戻ってきた。

「いたい、いたいね」

バカなりにムツミを心配するニーナは、何かを悟ったように立ち上がり再び部屋を出て行く。

「えさくださぁい」

いつものようにバカの一つ覚えの台詞を零すニーナ。

――仕事します

ミヨコにはそう言っているように感じた。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ