Deep Night《R18版》
第8章 ミヨコ
日に日に顔を渋らせていくムツミの様子の変化にミヨコは何があるのか聞きたかった。
「ねぇ、ミヨコ。あたし等が処分されるって話だけど」
“本当だよ”
「別に疑ってないよ。ただニーナは別なんだよね?」
“うん。ニーナは売られる”
「そう……ならあたし達は処分される方か」
“時間がない、早くあの人に伝えなきゃ”
「あの客は来ないと思う。少しでも怪しまれたら手を引くのが決まりだからね」
困った顔をするムツミは、部屋の外から聞こえる騒ぎに反応を示した。
「ムツミ、ニーナを絶対に部屋から出さないで」
真剣な顔でニーナを預けるムツミは急いで部屋から出て行く。
(ねぇ、ニーナ。アンタはいいよね)
胸の内で悲痛に叫ぶ。
(あたしなんか内臓しか価値がないんだよ)