テキストサイズ

Deep Night《R18版》

第4章 No.345


ミヨコは別に嘘を吐くつもりはなかったが、本当のことを言ってこの男が従業員を問い詰めたら間違いなく罰を受けると危惧してのことだった。

食べれないだけなら我慢は出来るが痛い思いをするのは絶対にミヨコも嫌だった。

拷問のような罰を、それこそ専門部屋に行かされるのだけは嫌だと頑なに嫌がるのはニーナがその常連だと嫌と言うほど聞いてきたからだった。

悪い事ーー主に客からのクレームを受けるとその専門部屋に連れて行かれ何時間も鞭打ちにされる。

そう泣きながらお尻を擦ってたニーナを良く覚えていたミヨコは思い出すと震えがりそうになった。

「本当か?」

「はい。他のお客さんや女の子に移されると困るので隔離されてます」

「その話、信じて良いんだな?」

「……はい」

事実を言ったらこの男はニーナや自分を救ってくれるだろうか?と淡い期待を一瞬だけ持つ。

「なら用は無い。帰る」

しかし男はミヨコじゃニーナの代わりが勤まらない、とでも言うかのように部屋を出て行った。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ