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雨のしわざ

第1章 雨が降った

「あ、そうだったんだ…ごめん、起こした…?」

「いや、大丈夫。ちょうど起きようと思ってたとこだし。」

「そ、そうなんだ」

「ん?なんか今日お前なんか変じゃね?」

「いや…だってなんかキヨが…」

フジは少し不安そうな声で言った

「ん?」

「な、なんか…優しい!!」

「はぁ!?俺はいつだって優しいだろ!」

「いいや!いつものキヨだったら俺が雨に降られたら絶対ばかにするし!タオルなんて持ってきてくれないし!お風呂だって沸かしてくれないでしょ!!」

フジはいつもより大きめの声でそう言った。

「なっ…別にいいだろ!お前にとって悪いことでもねぇんだからよ!」

「そっか…」

「とりあえずいいから風呂はいってこいよ」

「う、うん」

こうしてフジはキヨの沸かしてくれたお風呂に入った。

「ふぅ〜あったかぁぁあい」

フジはやはりなぜ今日に限ってキヨが優しいのかやはり疑問でしかなかった。
キヨが優しいことはフジにとってなんの害もないし損もない。
むしろ得なくらいだ。

「なんでかなぁ〜」

しばらく考えているともう20分近く過ぎていることに気づく。

「あ、そろそろでないとー」

フジは適当にあったバスタオルで頭と体を拭く。
すると着替える服がないことに気づいた。

「あー、雨に濡れて服ないんだったー…流石にキヨの服勝手に着るわけにも行 いかないしなぁ」

フジはバスタオルを体に巻いてキヨのもとへと向かった。

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