
掟破りな恋をしよう。
第2章 彼の素顔。
あれ、涙だ……。
嘘、私もしかして
泣いてる…………………?
無事に仕事が終わったからなのか、それとも
彼に迷惑をかけてしまったことによる
申し訳なさからなのかは分からないが
不思議と涙が溢れ出て止まらなくなる。
やだ、泣き顔なんて見られたくないのに…!!!
けれど、神咲さんは私が泣いている事なんか
とっくにお見通しな訳で。
「何泣いてんだよ、バーカ。」
私の顔見て、笑いながらそう言った。
そして、私の頭を少し乱暴に
わしゃわしゃと掻き乱す。
彼に言われたその言葉は今までとは違い
悪意などは一切無い。
「もう、からかわないでくださいよ……っ。」
私は涙を拭いながら言い返す。
泣き顔を見られて恥ずかしいはずなのに
神咲さんに認められた気がして
それがなぜか自分にとっては凄く凄く嬉しくて…
永遠にこの時間が続けばいいのに
とさえ思ってしまった。
