掟破りな恋をしよう。
第2章 彼の素顔。
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誰もいない、静けさの漂う小道に
私と神咲さんの足音だけが響く。
「俺、新入社員の事が嫌いだった。
今までもこれからも。ずっとこの気持ちは
変わらないと思ってた。」
神咲さんは夜空に散らばる星を見ながら言った。
そして、歩いていた足を止める。
「この会社に入ってくる奴の大半は
クライアントの事なんて考えていない、結局
自分の事しか考えてないやつばっかりなんだ。
だから毎年、入社してくる大半の社員が
1年以内に仕事を辞めてる。
うちの会社がエリート揃いって言われてるのは
本当にこの仕事がしたくてここに来てる奴だけが
残ってるからなんだ。」
「そうだったんですか…………。」
だから、私と初めて会った時も
あんな冷たい態度をとっていたんだ。
それなら十分に納得がいく。
多分、神咲さんは
きっといつかは辞めてしまうんだと思って
新入社員と深く関わってないんだ。
私は………。
彼の期待に応えられるような後輩になりたい。
この会社が求めているような存在になれるように
何より、自分の描く『理想の自分』になれるように
これからも頑張っていきたい。
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