
掟破りな恋をしよう。
第2章 彼の素顔。
私の言葉を聞き、やれやれと小さく呟きながらも
沙耶さんは笑顔を見せてくれた。
「…あんたみたいな新入社員、初めてよ。
さすが、私が見込んだだけあるわね。
いいわ。会議は私が代わりに出といてあげるから
神咲のとこ行ってきな。
あの子、多分資料室にいるはずだから。」
「ありがとうございます…!!」
私は沙耶さんに深くお辞儀をし、急いで
神咲さんの元へと向かう。
新入社員だし、自分が生意気を言ってる事だって
きちんと分かってる。
でも、放っておけない。
同期のせいで、神咲さんに悪い思いをさせるなんて
絶対にしたくない。
私は初日、神咲さんに助けてもらった。
だから今度は
私が彼を助けるんだ。
神咲さんがいるという資料室は確か7Fのはず。
私はエレベーターに飛び乗り7Fのボタンを押した。
