テキストサイズ

掟破りな恋をしよう。

第2章 彼の素顔。







「何してるんだ?」


「わあっ!!?」





いきなり背後から声をかけられ、驚きのあまり
腰が抜けてしまう。




びっっっっくりしたあ…。


まさか後ろにいたなんて。





「びっくりしすぎだろ。」

おかしそうに笑いながら彼は言う。



誰のせいだと思ってるの………!!!!




「ほら。立てよ。」

そう言い、彼は右手を差し出してくれた。



「あ、ありがとうございます……。」

私は彼の言葉に甘え、手を借りて立ち上がった。





「んで、何の用?
俺に用事があってここに来たんだろ?」




「…水波さんから聞きました。
営業部署の同期がクライアントと揉めて
それを全部神咲さんのせいにしたって。」

私の話を聞き、神咲さんの表情が一気に曇る。



そして彼は私から視線を反らした。





「……。」


神咲さんは何も言わずに拳を握りしめる。





「…私も、手伝います。
神咲さんが抱えてる案件。」


「…っ!?」



彼は驚き、目を見開いている。




「お前…自分は何も関係無いだろ…」

「関係なく無いです。」

私はきっぱりと言い切り、そして続けた。




「そもそも、神咲さんだって
関係無いじゃないですか。
非があるのは営業部署の新入社員。
つまり、私の同期。
私はその同期のことが許せないだけです。」

彼から一切視線を反らすことなく
私は言った。






ストーリーメニュー

TOPTOPへ