
掟破りな恋をしよう。
第3章 彼と共に、恋を知る。
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静けさの漂う資料室には
私がキーボードを叩く音と、神咲さんが
本のページをめくる音だけが響いていた。
「あ、そうだ。神咲さん。」
「ん?」
私の隣の席で頬杖をつき、本のページをめくりながら
彼は返事をした。
「伝言を伝えた時に、水波さんが
『後輩に伝えさせるんじゃなくて自分で言え』って
言ってました。」
私の言葉を聞き、彼は大きな溜息をついた。
「入社初日の後輩をパシるような奴に
言われたくないセリフだな。」
………確かに、それも言えてる。
「ふふっ。」
やっぱり2人って仲が良い。
微笑ましくて、思わず笑っちゃうくらい。
それだけ信頼し合ってる
って事でもあるんだろうなぁ。
