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Our Destination

第10章 君といたら、隠せなくなる気持ち

「俺がいい笑顔…?」
「あっ…、うんっ…いい笑顔…だったよ」
玲佳ちゃんがうつむきながら言った
「そうか…、いい笑顔か…。玲佳ちゃんありがとね」
「えっ…?あっ、うん…。いえいえ…」
少しだけ沈黙が流れた

「悠輔くんって、楽しんでる時いい笑顔してること多いよね…」
「そう?」
「今日もそうだし、この前一緒に脱出ゲームしたときもだし、あのライブの日もずっといい笑顔だった…」
「えっ…?ライブ…?」
「あっ…いや…、その…」
玲佳ちゃんは少しだけバツの悪そうな顔をしてしまい、俺は何も言えずにいた

「言っちゃったから、正直に言うんだけどね…、ライブの時、実は悠輔くんのこと見てたの」
「俺のこと…?」
「うん…、バレるのは恥ずかしかったから少し離れてだけど…」
「まじか…見られてたのか…」
「ほんとにいい顔してた…楽しいんだなーって思って私は見てたよ?」
玲佳ちゃんはまっすぐに俺を見ていってくれた

「ほんと恥ずかしいけど、なんか嬉しいわ」
「うん…」
「まあ、玲佳ちゃんもほんといい顔してたけどね、ライブのときも脱出ゲームしてるときも…」
「そうかな…?」
「そうだよ、普段の周りを気にして気を使ってる顔より、ライブで感情むき出しな顔とか、楽しくて心から笑顔の顔のほうが可愛いし、好きだよ」
「え…?かわいい…?好き…??」
「あっ…あの…」

もうむりだ…酔った勢いって思われたくないけど我慢の限界だ…

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