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Our Destination

第11章 届いてしまった、微かな香り

「だからこそ、ライブハウスで悠輔くんを見つけた時は見つからないように遠くから見てた。普段の私がバレたらきっと引かれる、嫌われるって思ってたの…。ここまで気持ちが大きくなってから嫌われたら立ち直れないって思ったから…。」
「そんなことないのに…。あのときの玲佳ちゃんの顔、ほんとによかったよ?」
「うん、見つかったときにそう言ってもらえてホッとしたし嬉しかった…。私の普段見せない姿を見ても受け止めてくれて嬉しかった。」
「よかった…。」
悠輔くんの顔が少し緩んだように見えた

「脱出ゲームも悠輔くんが好きって聞いて行こうって思ったし、行ったらまさかいると思わなかったけど、たくさん笑ってくれて、助けてくれて、優しくしてくれて…。帰り道、また脱出ゲーム行きたいって言ったのは、悠輔くんとだから行きたいって思って思わず言ったの…。」
「そうだったのか、嬉しいな…。」
「今日も本当に楽しみだったの…。悠輔くんはどう思ってるかわからなかったけど、デートみたいな感じだなって思ってたの…。」
「俺も同じだよ。玲佳ちゃんがどう思おうがデートだと思ってきたんだ」
「おんなじ気持ちだったんだね…。」
「そうだね…一緒だね…。」
悠輔くんが優しく笑ってくれた
うん…、ちゃんと言わないと…

「私も悠輔くんとライブもフェスも脱出ゲームも全部行きたい…。美味しいご飯もいっぱい作りたい…、食べてほしいから…。悠輔くんとたくさんいろんな景色が見たい、隣で笑っていたいの…。」
「うん…。」
「こんな私で良ければ付き合ってください…。よろしくお願いします。」
感情が抑えきれなくて、涙が溢れたまま悠輔くんの気持ちに答えた

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