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Our Destination

第3章 変わらないはずの日々で、動き出す歯車

真希も愛花ちゃんも持ち場に戻り、二人きりになったような感覚で、どうしていいかわからなかったが
「小林くん!と、とりあえず乾杯!」
「あっ…乾杯…」
勢いで乾杯をしてみたら乗ってきてくれた
よかった、少しホッとした

「小林くん、こうやってお話するのは初めてだね…」
「そうだね、望月さんとちゃんと話したことなかったよね」
「うん…だからなんか変な感じ…」
「たしかにそうだね…」
笑顔で答えてくれる小林くんだが、なにか悲しげに見える笑顔に少しだけ胸が苦しくなる
また少しだけの沈黙が生まれて、その空気が辛くなり

「あの…」
「ん?どうしたの、望月さん」
「いや、その…目が赤くなってるよ…?」
「あっ…やっぱり…そうだよね…ごめんね…」
そう言いながら小林くんは一気にビールを飲み干し
「すみません、ビールください」
と注文をしていた

私は余計なことを言ってしまった気がして
「私の方こそごめんなさい…余計なことをいってしまったよね…」
と下を向く

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