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Our Destination

第3章 変わらないはずの日々で、動き出す歯車

「そうだよね…周りがなんて言おうと大好きな人のことは信じたいもんね…」
「でも、現実は残酷って言うけどその通りだったんだなって…あっさりと裏切られてたんだなって…」
小林くんが涙を流しながらきょうのできごとを教えてくれていた時、愛花ちゃんが

「お待たせしました、いつもの串盛りと枝豆と砂肝の醤油漬けです。」
「ありがとう、愛花ちゃん」
頼んだものを届けにきてくれた

「小林くん、この砂肝の醤油漬け、美味しいから食べてみて?お酒進むから」
「えっ?いや…これは望月さんが頼んだやつだよね…?」
「小林くんに食べてもらいたくて頼んだの…。これぐらいしかできないし、あまり話したことない私じゃ何もできないのかも知れないけど、お話は聞けるから…」
「ごめん、望月さん…たまたま隣になっただけなのに…ありがとう…」
「謝らないで…?おいしいからたべよ…?」
そう言うと小林くんは一口食べ
「ほんとだ…うまい…」と言ってビールを含んだ
「良かった…お口にあったみたいで…」
「ほんとにうまいよ…ありがと…」
小林くんは涙こそ止まっていないけど、少しだけ笑みを見せてくれた

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