テキストサイズ

Our Destination

第1章 緩やかに崩れだす、穏やかな日々

「ごちそーさまでした!」
玲佳が食べ終わってから数分後、真希が食べ終わったみたいだ
「けっこうボリュームあったね、お腹いっぱいになったでしょ?」
「なった!やっぱり学食の油淋鶏は美味しい!」
「よかった、よかった!真希はほんとに美味しそうに食べるよねー」
「だって美味しいからね、素直ってことだからね!」

そんな話をしていたときだった
近くを通りかかった男子に真希が声をかけた
「小林くん、おはよー!」
同じ学科の小林悠輔くんが通りかかった
「あっ…真希ちゃんか、おはよ。望月さんも一緒だったんだね、おはよ。」
「おはよう、小林くん」
玲佳は挨拶するだけで精一杯だった

「小林くん元気ないね、なにかあった?」
真希が小林くんに尋ねる
「まあ、いろいろね…。授業の準備あるしそろそろ行くわ」
「うん、わかった…」
玲佳は二人の会話を見つめるだけだった

「小林くん、どうしたんだろうね…」
真希に問われた玲佳は
「うん…元気なかったからね…」
そう答えた

この時、玲佳は気づかなかった
変わらないはずの日常が変わっていくことに

ストーリーメニュー

TOPTOPへ