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Our Destination

第9章 きっと私、あの頃には戻れない

ビルの中に入り、カフェで限定フードとドリンクを注文する
今回の脱出ゲームにちなんだもののようで、好きなキャラクターのコースターとステッカーもついていた

一人で席に座り、ゆっくりと味わう
フードはフルーツが乗った甘さ控えめのパンケーキで、すごく食べやすい
ドリンクはノンアルコールカクテルのような感じでこちらも飲みやすくて好きな味だった

食べ終わった頃、開場時間が迫っていたため、会場のある階へ行くエレベーターの前に移動すると
「玲佳ちゃん…?」
ふりかえるとそこには
「悠輔くん…?」
なんと悠輔くんがいた
「えっ、なにしてんの?」
「あっ、いや…アニメコラボの脱出ゲームしに来たの…私、あのアニメ好きだから、気になっててね…」
悠輔くんが好きなものだから来たとは流石に言えないので、そこは言わずにあくまでアニメが好きだからとだけ伝える

「もしかしてもうすぐ開場の回?」
「うん…そうだけど…」
「おっ!まじか!俺もそれに参加するよ!」
「そうなの?」
「うん!なんか奇遇だね!昨日も会ったのに、まさか今日も俺と同じものをしに来てるとは!」
「うん…ほんとだね…すごい偶然だね」
悠輔くんは笑顔で話してくれる
私も笑ってお話したいけど、うまく笑えていない気がした
だっていると思わないよ…、それも同じ時間なんて…

「玲佳ちゃん、よかったらいっしょにやらない?同じチームでやろうよ!」
「同じチームで…?」
今回の脱出ゲームは4人一組のチームで挑むもので、当日チーム分けされるが仲間で同じチームも可能らしい
「せっかくだしさ!」
「うん、わかった…」
そう伝えるとちょうど開場時間になり、エレベーターで移動した

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