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Our Destination

第9章 きっと私、あの頃には戻れない

その後、簡単なあらすじが書かれた案内をよんだり、悠輔くんとお二人に脱出ゲームのコツみたいなものを教えてもらっていた

「あの、もしかしてお二人ってカップルさんですか?」
話が落ち着いた頃、女性の方が突然聞いてきた
「おいおい!麻由、いきなり変なこと聞くなよな!」
「だって、気になったんだもん!拓人だってそう思ってたんでしょ?」
「おふたり、すみませんね…変なこと聞いちゃって…」
拓人さんが麻由さんをなだめていると
「あっ、いや…友達です…大学の同期でして…」
悠輔くんが答えてくれる
「そうです、今日もたまたま会って一緒に来ただけなので…」
「ごめんなさい!なんか失礼なこと聞いちゃった…」
麻由さんが申し訳なさそうな顔をして言う
「いや、大丈夫ですよ!」
悠輔くんは笑顔で答えてる

このやり取りを見て、私の心は少しだけ痛かった
そうだよね、友達だもんね…
あくまでも大学の同期だもんね…
わかってることだけど、やっぱり言葉にされるとズキッと痛むね…

ふと、横を見ると悠輔くんが少し寂しげな顔をしてる
なんでだろ…なんでそんな顔するんだろ…

そうこうしてるうちにゲームが始まる時間になった

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