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妖魔の憂鬱

第3章 壱星の願い事

「優月は今でも…その…
…精子を中で出させる事が無いのでしょうか?…そこは昔と変わらないんですか?」

「何ソレッ!?」

壱星のデリカシーの無い質問に、動揺を隠せない優月だが、悔しそうな顔をして投げ遣りに頷いた。

「それはナゼか
聞いても・・・?」

「めんどくさいだけ
深い意味なんて無い」

優月のその言葉を聞いて、安心した様子で微笑みながら少し下を向く壱星に、優月は目を奪われていた。

「嫌で避けている訳じゃないのなら
良かったです・・・」

正直なところ…「嫌ょ!嫌に決まってんじゃん!」っと言いたげな優月だったが、壱星の嬉しそうな顔を見て
口を噤んでいた。

それにしても夫婦の営みが有って尚、授からないのならソレなりの理由が有るはずだし…もし夫婦の営みが無いのなら、自分達淫魔がデシャバルと人間界では逆に問題に成るのでは無いか?優月は、眉間にシワを寄せて考えていた。しかし、所詮興味は無く───

「どぅでも良い…」
「はい?」

優月の呟きは壱星の耳には届かなかったが、ソレすらどうでも良くなるほど、優月は思考が停止していた。と言うより…そうしなければ、こんなバカげた話の続きを聞く気にはなれなかった。

「どうでも良いから
あたしは、とにかくココに住んでる男の精子を持って帰ってきたら言い訳ね?」


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