ヨシとカツ
第1章 登校時
「ヨシく~ん!」
「キャー!ヨシく~~ん!」
「ヨシくん、こっち向いて~!」
あっという間に、ヨシの周りは、黄色い声の女子十数人に埋め尽くされた。
「おう、おっは。おっは。おっは」
見た目ガサツに見えるやつは、こまめに丁寧に、女子一人一人にあいさつを返す。
オレはというと、すーっと影のようにヨシのそばから離れた。
正直、女子の群れを見るとぞっとする。いちど優しくしただけで、つけあがって、しつこくストークしてくる。オレは、自分の行く手を他人に邪魔されるのが大嫌いだ。
さて、ヨシなんか放っておいて、学校の校門へと歩き出したが、オレはすぐに、人影を見て背中が凍りついた。
校門の前に、同じ中3の、隣のクラスの女子が、一人ぼうぜんとたたずんでいた。
「ちぇっ、きょうも立ってやがる。なんてしつこいんだ」
オレは、ぶつくさひとりごとを言いながら、覚悟を決めて、校門へと進んだ。
「キャー!ヨシく~~ん!」
「ヨシくん、こっち向いて~!」
あっという間に、ヨシの周りは、黄色い声の女子十数人に埋め尽くされた。
「おう、おっは。おっは。おっは」
見た目ガサツに見えるやつは、こまめに丁寧に、女子一人一人にあいさつを返す。
オレはというと、すーっと影のようにヨシのそばから離れた。
正直、女子の群れを見るとぞっとする。いちど優しくしただけで、つけあがって、しつこくストークしてくる。オレは、自分の行く手を他人に邪魔されるのが大嫌いだ。
さて、ヨシなんか放っておいて、学校の校門へと歩き出したが、オレはすぐに、人影を見て背中が凍りついた。
校門の前に、同じ中3の、隣のクラスの女子が、一人ぼうぜんとたたずんでいた。
「ちぇっ、きょうも立ってやがる。なんてしつこいんだ」
オレは、ぶつくさひとりごとを言いながら、覚悟を決めて、校門へと進んだ。