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林間学校

第4章 のぞきの代償

キャンプファイアーも終わってお風呂に入って就寝するのみとなった。

宿泊棟はもちろん男女別なので、女子の棟を見てあの中に大勢の女子がいると思うとたまらなくなる。透け透け望遠鏡でもあれば女子のあんな姿やこんな姿が見れるのに・・。

そんなことを思って翔太がモヤモヤしていると比呂志がとびきり嬉しそうな顔をしてやってきた。

女風呂が覗けるスポットを見つけたというのだ。みんなには内緒で親友の翔太にだけ教えてくれると目を爛々と輝かせている。
美樹に嫌われ、貞子になつかれてどんよりとしている比呂志とは別人のようだ。

ふたりはこっそりと女子の棟の風呂場の辺りまできた。窓は厳重に閉められているが、女子たちの黄色い声が聞こえてきて興奮をそそる。
あの向こうには裸の女子がいる。

スゴく見たいけど、翔太は大事なことに気がついた。綾音だって裸で風呂に入っているんだ。綾音の裸を比呂志に見られるのはイヤだな。

「な、なあ、やっぱりやめようぜ」と翔太が切り出すと、

「ここまできて何を怖じ気づいてやがる」とバッサリと言われた。

「こんなことしてると取り返しのつかないぐらい美樹に嫌われちゃうぜ」と比呂志の最大の弱点を口撃してみる。

口撃しながらもう既に取り返しのつかない程に嫌われているかと比呂志が憐れになる。

「もう美樹のことは諦めたよ。小学生の頃から嫌われてるし・・逆効果だったよな」

比呂志の逆効果という言葉に翔太は小学生の頃の水泳の着替えを思い出した。

フルチンで着替えていた比呂志は悪ふざけなことにフルチンのまま教室中を走り回ったりするようなヤツだった。

フルチンで教室中を走り回る時に美樹のところには何回も走って行って執拗にチンコを見せびらかしていた。

まさか、チンコを見せびらかせば美樹が振り向いてくれるとでも思っていたのだろうか。

女子が裸なんて見せてくれれば最高のプレゼントだから男はイチコロで裸を見せてくれた女子を好きになるけど、女子にチンコなんて見せびらかしても嫌われるだけじゃないか。

逆効果も何も最初から最後まで間違っている。本気でチンコを見せれば美樹に好きになってもらえると思っていたのなら、言っちゃ悪いけど本当のバカだ、大バカだ。

「だから美樹のことはもう諦めた。新しい恋を探すんだ」と比呂志は淋しそうに笑った。

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