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林間学校

第4章 のぞきの代償

翔太たちが集会室から出ると別の集会室から男子2名が出てきてわんわんと泣きじゃくっていた。

「これに懲りたら二度と馬鹿なことはするんじゃね~ぞ」

デモクミみたいな女教師がわんわんと泣きじゃくる男子を一喝して歩き去っていった。

この女教師はデモクミの妹分でその恐ろしさはデモクミに負けず劣らずである。
例の族が学校を襲撃した時はたまたま出張で不在だったため、後でデモクミがひとりで族を叩きつぶしたことを聞いて自分も暴れたかったとかなり悔しがっていた。

わんわんと泣きじゃくる男子たちを見てコイツらも同罪を犯して懲らしめられたんだと翔太たちは思った。

男子棟の部屋に戻ると男子たちが興味津々に翔太たちを取り囲んだ。女風呂を覗いてデモクミに連行されたらしいというのは早くもウワサになっていたのだ。

どうだったとか、誰と誰の裸を見たとか興味津々に取材を受けることになったので、覗く前にデモクミに捕まって今までこっぴどく怒られていたとだけ答えた。

ふたりの涙声にデモクミに相当酷い目に遭ったのだろうと男子たちも蒼くなって震え上がって二度と覗きの件を口にすることはなくなった。

未遂に終わったとはいえ、デモクミやその妹分の恐ろしいデーモンたちに酷い目に遭う危険も顧みずに女風呂覗きという偉業(愚劣な犯罪なのだが、やはり男子たちにとって女風呂を覗くというのは偉業なのだ)に果敢に挑んだ翔太と比呂志は英雄と崇められた。

「ヒロシです、女風呂を覗こうとして未遂に終わり・・うっ、うっ、うっ、こっぴどい罰を受けました」という比呂志の自虐ネタは拍手喝采を浴びて讃えられた。

女子棟では風呂が覗けるような所があるとはこの施設のセキュリティはどうなっているんだとデモクミや妹分の猛烈抗議があって、その夜のうちに問題の箇所は補強されてもう女風呂を覗けるスポットはなくなった。

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